あのときは若かったけれど、今の私だったら結末は違っていたかもしれない、と過去の恋を振り返ることがある。
逆に、今の私だったらあのとき彼を好きになることはなかったのではないか、と振り返ることもある。
でも多分、彼と付き合えたのは「あのときの私」だからであって。
それでうまくいかなかったということは、多分、その人とはそういう結末を迎える運命だったということなんだと思う。
残念だけれど。
そして、あのときの彼を好きになったのは、紛れもなく過去の自分で。
その恋から学ぶことがあったからこそ、「今の私」だったら付き合わないだろうという結論が出てくるのだ。
その恋たちがあって「あのときの自分」がいたからこそ、「今の自分」があるのであって。
そんな「今の自分」だからこそ、今の恋愛がある。
きっと相手にも同じように「あのときの自分」がいて、「今の自分」がいるのだろう。
「あのとき」が自分を磨いて、お互いの磨かれた形が出会ったときにぴったりと合えば、恋に落ちる。
数年後、さらに磨かれてどちらかの形が、もしくはお互いの形がかわってしまっていたら、きっと「もう一度」という奇跡は起こらない。
お互いが磨かれて、それでも尚、再びぴったりと合う形になっていたとしたら、それは本当にすごい奇跡なのではないかと思う。